“人間力”溢れるママに翻弄されて

|Second Love

突然だがみなさんは、「サードプレイス」という言葉をご存知だろうか? 家でも職場でもない、心からリラックスできる第3の場所。ここでご紹介しているスナックたちも、まさしくそんな場所として私たちのアフターファイブに癒しの時間を与えてくれる存在なのではないだろうか?

そんなことを考えつつ伺ったのは、小玉訓子ママの営む「Second Love」。初見ではスレンダーなスタイルも相まってクールな印象を受ける訓子ママだが、話してみるとなんとも絶妙なフランクさ。こちらもついリラックスして、日頃の愚痴や悩みを、洗いざらい打ち明けてしまいそうだ。そんなママが18年働いていたという宮崎伝説のキャバレー・ビッグボックスについてや、お店を始めるまでの経緯について、バブル期まで遡りお話を伺った。

歯科衛生士からホステスさんへ転身?

訓子ママは宮崎県日南市のご出身。高校までを地元で過ごし、宮崎市内の学校へ。歯科衛生士の免許を取得し、国家試験にも合格。学生時代にコンパニオンのアルバイトなどはしていたが、そのまま歯科衛生士として就職したのだそうだ。

「まあ色々思うところあって辞めちゃったんですけど、3年少しくらいは働いてました。そのあと1年はちょっとフラフラしてて(笑)。その間にママさんたちに声をかけてもらったりして、お店を手伝わせてもらったりしていたの。その後、さすがにそのまま遊んでるわけにはいかなかったから、ビックボックスというキャバレーに入ったんです。そこでは閉店までの18年ほど、働かせていただきましたね」

広いホールに、外国人キャストによるショータイム、ボックス席に女の子がついて…という、クラシックなキャバレーのスタイルで、宮崎のバブル期を盛り上げたビックボックス。今でこそなくなってしまったが、ニシタチにはビックボックスを卒業後、独立したというママも少なくない。

「両親は歯科衛生士を続けて欲しかったはずだから、当然すごく反対されました。偶然来た中学校の時の担任の先生に、『お金に困ってるのか!?』と心配されたり(笑)。もう30年くらい前になるのかな。あの頃はまだそんな時代でした。でも結局それだけ長く働き続けられたのも、居心地が悪くなかったから、じゃないかな。毎晩お酒飲んでバカ話して、振り返ってみても楽しかったですよ。お客さんとのアフターでお寿司と焼肉交代で毎日食事に連れて行ってもらったり。街全体が、賑やかで、華やかで。とても面白い時代だったと思うな」

ママとのよもやま話に花を咲かせて

当時ならではとんでもエピソードは山ほどあるが、さすがにここでは話せないとのこと。「まあそれは個人的に聞きに来て」と笑って続ける訓子ママ。こんなご時世だが、とにかく皆さんに笑顔で帰っていただきたい、と話してくれた。

「個人の方も団体の方も気兼ねなく来られるようにと広い店を借りてるのだけど、今はカウンターは閉めてて、ボックスで贅沢に女の子つけて、ゆったり飲んでもらうようにしています。カウンターだと知らない方と隣り合わせになるし、それがスナックの醍醐味でもあるんだけど…感染対策を考えたらちょっとね」

その場しのぎではなく、客の居心地の良さや、本質的にどうすれば一番の対策になるのかを考え、コロナ禍に入ってからこれまで、しっかりと感染対策をして来た訓子ママ。少人数でもボックス席を使ってゆったり飲めるという意味では、期間限定の贅沢な時間を味わえるチャンスでもあるだろう。

ここも誰かの“行き慣れた店”だから

「誰だって行き慣れた店に、通い続けたいわよね。こういう雰囲気を気に入ってくださる方が、常連さんとして残ってくださっているから、できるだけ守って行きたいと思っていて。でもまあ、もともとうちは客層がいいの。変な人は来ないから、揉め事が起きたことなんかもないしね。本当にいいお客さんばかりに、支えられて来たなと感じています」

のらりくらりとかわされたかと思えば、人生の核心を突くような言葉が飛び出したり、終始翻弄されっぱなしのインタビューではあったが、訓子ママのおおらかさやその奥底に見える優しさに、常連客がつくのにも頷ける。バブル期を知らない世代の方々もぜひ、ここでは話せなかった当時の「とんでもエピソード」を聞きに、足を運んでみていただきたい。

取材・執筆=倉本亜里沙、撮影=田村昌士

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Data

小玉訓子

ビールが大好き。休日は常連のお客さんと、趣味のゴルフに出かけることも。
スタイル維持の秘訣は「ストレスについて考えないこと」。

住所
宮崎県宮崎市中央通1-7
OMビル3F
電話
0985-25-4008
営業時間
19時〜翌1時まで
定休日
日祝
喫煙
ok
席数
ボックス20〜30席
料金体系
60分飲み放題2,000円〜
軽食
なし(出前対応可能)
決済方法
現金・カード・PayPay
Webサイト・SNS

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